老化を防ぐ?若返りできる?今話題のNMNとは?

NMN

 人生100年時代と言われますが、ずっと健康でいられてこそ晩年を楽しめるものです。老化や病気に苦しみながら老年時代を過ごしても楽しむことはできません。
 人生100年時代を前向きに捉えられるか否かは、老化をいかに食い止めるかが、カギを握っていると言えます。「人生の後半戦のことはそのとき考えればいい」と思う方もいるかもしれませんが、後になって苦労するよりも、若いうちにできることをした方がいいでしょう。昨今の世界的なアンチエイジングブームは、その表れです。
 そこで注目されているのがNMNという物質なのです。

老化は克服できる? 若返りの秘薬として期待の「NMN」

 人生100年時代と言われて久しいですが、その状況を誰もが喜んでいるわけではないでしょう。年をとれば、肌にシミやシワが目立つようになり、視力が衰え、体力が落ちる。病気のリスクも高まるし、認知症も気になるところです。
裏を返せば、老化に伴う悩みが解消されれば、長寿が歓迎すべきものになることは間違いありません。

  なかでも、「若返りの秘薬」として注目されているのが、NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)という物質なのです。NMNは、

  • サプリメント
  • シートパックなどの化粧品
  • 点滴治療

などが登場するなど、市場は急拡大。これらNMNを配合した製品は、細胞から若返る可能性を秘めており、「高いパフォーマンスを維持しながら、長生きしたい」と考える人たちに、いち早く支持されています。

今井眞一郎教授
今井眞一郎教授

NMNは、老化を食いとめ、健康寿命を延ばすことが期待される物質です。

NMN研究の世界的権威者で、ワシントン大学医学部教授の今井眞一郎氏はこう述べています。
 15年以上前から老化と長寿のメカニズムを追究する今井教授の研究を中心に、NMNの抗老化作用が明らかとなり、NMNブームのきっかけへとつながったのです。

老化を食い止め、カラダの中から若返る

若さを保つには、NMNから変化するNADが不可欠

 NMNは、もともと人間の身体の組織や細胞に存在する物質で、体内でNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)に変化します。老化や寿命をコントロールするのは、このサーチュイン遺伝子ですが、この遺伝子がつくりだすたんぱく質、サーチュインのひとつ、SIRT1(サーティーワン)は、NADを使うことで、全身のさまざまな機能を回復させることがわかっている。つまり、若さを保つには、NADが不可欠というわけです。

今井眞一郎教授
今井眞一郎教授

ところが、体内のNMN量は加齢によって減少し、それに伴い、NAD量も減っていきます。そこで、化学的に生成されたNMNを、体外から補充することを考えたのです。

今井教授の研究グループは、2007年から、マウスによる臨床実験をスタート。5ヵ月齢のマウスに1年間毎日NMNを与えたところ、見た目、運動能力、活動量、細胞レベルで若返り、明らかな老化抑制効果が認められました。

マウスだけでなく、人間でも有効性を証明

 さらに研究を重ね、2021年4月23日には、糖尿病予備軍で肥満、55歳~75歳の閉経後の女性25名による臨床試験の成果論文が「サイエンス」にて発表されました。

1日250mgのNMNを10週間経口摂取した13人に、骨骨格でのインスリンの働きが25%上昇するといった、糖の取りこみ機能の改善が見られた。

 血糖値や体重に変化はなく、副作用も確認されなかった

 これは、世界で初めて、NMNの効果が人間で認められた事例です。これを機に、NMNはさらに話題となり、老化予防を目的に、サプリなどを活用し始める人も急増しました。

今井眞一郎教授
今井眞一郎教授

 これまでに世界中で行われてきたマウス実験では、老化に伴う糖尿病やアルツハイマー病、心不全などを改善する結果が報告されています。今回の研究は抗老化という方法にNMNを応用している最初の一歩と言えます。

 昨秋から男性を対象にした臨床試験も行っており、その結果は、近いうちに発表できると思います。とはいえ、人間における抗老化作用が確認できるまでには、もう少し時間がかかるでしょう。

 NMNはまだ研究段階で、解明できている点もあれば、解明されていない点もあります。それを理解し、しっかり研究に取り組んできた専門家が発信する情報に基づき、納得のうえで活用いただきたいですね。

現在、NMNの脳への作用を重点的に研究中という今井教授はこう述べています。年内には新たな研究結果が発表されるとのことです。

ホリエモンのYouTubeやモーニングショーでも

 ホリエモンこと堀江貴文さんも自らのYouTubeチャンネルでNMNについて積極的に発信しており、そこでNMNについて知った方も多いのではないでしょうか。

 また、普段は堅い内容を扱うことが多い「羽鳥慎一のモーニングショー」でもNMNについて度々取り上げています。「NMNが人体でも有効」と発表があった後の2021年5月6日には、玉川徹さんが「そもそも総研」で特集を組んでいました

 老化が起こってからNMNを摂取するより、若いうちから摂取した方が効果がより期待で来ます。
 5年後、10年後、20年後に、「あの時やっておけばよかった!」と後悔しないためにも、アンチエイジングの期待の星、NMNに注目したいものです。

効果の期待できる製品を見極める目を

 NMNが期待されていることもあり、最近NMNサプリの市場が急拡大しています。少し前までは「NMNサプリは高価」で3万円〜5万円くらいするのが当たり前だったのですが、最近は低価格な製品も増えています。
 難しいのは「高価=高品質」「安価=低品質」とは言えないところです。今井教授が言うように、「しっかり研究に取り組んできた専門家が発信する情報に基づき、納得のうえで活用」することが大切です。   

 NMN製品を選ぶ時にはNMNの含有率、研究成果との関わり、大学・研究所との関連などを考え、慎重に選びたいものです。安価で高品質な製品に出会いたいものです。

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